「シュレディンガーの水曜日」って何?
What is "Schrödinger's Wednesday"?「シュレディンガーの水曜日」は、2021年9月にスタートしたカジュアルなオンライン・サイエンス・カフェです。当時、日本全体がコロナ禍に巻き込まれ、学会などもオンラインに切り替わったことで、雑談やエクスカーションの機会が失われたことを憂う原正彦氏(当時、東京工業大学物質理工学院・教授)が、旧知の中山知信氏(物質・材料研究機構)を誘い、基本的な設計をスタイル株式会社が担当し、手弁当でスタートしました。物質科学分野のリサーチャー/エンジニア、および大学院生・学部生を対象にし「気楽な放課後のクラブ活動だけど内容は物質科学の最先端」を標榜し、毎週水曜日の夜にZoomを利用したお気楽な勉強会を実施していました。少ない時でも30名、多い時は100名近くの研究者の皆さんに集まっていただきました(過去に実施したセミナーはWirelessWireNews上ではここから、舞台をLocalKnowledgeに移してからはこのリンク先でご確認いただけます。しばらくの間、「シュレディンガーの水曜日」はその活動を休止していましたが、来る2024年11月23日(土曜日・祝日)に実施されるイベントを契機に、再起動させる予定です。
「シュレディンガーの水曜日」のビジョン
the vision for "Schrödinger's Wednesday"私たちが科学を感じ、学び、切り拓けるのは、そこに大きな発見や感動があることを知っているからです。そのような科学者の強い好奇心は私たちの生活を豊かにする進歩のみならず、社会の仕組みそのものすら変革してしまう程の大きな変化を引き起こしてきました。日本の自然科学はそのように世界に誇れる成果を残してきました。しかし資源に乏しく高齢化が進む現在の我が国において、その科学の力は正しく育てられ活用されているでしょうか。科学と技術の分野で世界に存在感を示してきた日本は、現在、その多くの分野で衰退を顕在化させています。これは、経済的な思惑だけで科学を語るようになってしまった結果でしょう。ただ、我が国には幸いなことに、物質科学分野に数多くの優れた研究者がいますし、有望な若手も育っています。「シュレディンガーの水曜日」は、世界を先導する研究者から、キラリと光る次世代研究者までが出会い、知識と経験とアイデアの絡み合いを産み出すことを目的とします。個性豊かな研究者達から発せられるアイデアの波が拡がり重なり合って、未踏の平原に新たな高波を生み出す。その高波を目印にさらなる高みを形成し、我が国ならではの物質科学文化を作りあげ、その成果の社会実装・還元を通じて、下記の3つの価値を創造したいと考えています。
- 我が国を支える優れた研究者ネットワークの構築
- 学会の垣根を超えたアイデアやコンセプトの共有と成長
- 選りすぐりの研究者・研究グループの夢(dream)の尊重と、アウトリーチおよびブランディング支援
「シュレディンガーの水曜日・実行委員会」のメンバー
Schrödinger's Wednesday Council「シュレディンガーの水曜日」実行委員会は法人格を持たない任意団体です(事務局業務はスタイル株式会社が担当しています)。 基本メンバー構成は下記の通りです。
フェロー兼シニアディレクター(Fellow and Senior Director)
- 原 正彦
- : 東京工業大学名誉教授/特別研究員、熊本大学大学院先導機構客員教授、ロンドン芸術大学客員研究員
- 中山知信
- : 物質・材料研究機構(NIMS)国際広報部門長、応用物理学会フェロー
フェロー(Fellow )
- 伊藤耕三
- : 高分子学会・会長、東京大学大学院新領域創成科学研究科教授
- 長谷川修司
- : 日本物理学会・会長、東京大学大学院理学系研究科物理学専攻教授
- 桜田 一洋
- : 慶應義塾大学・医学部 石井・石橋記念講座・拡張知能医学教授
- 関 修平
- : 京都大学 工学研究科 分子工学専攻応用反応化学講座 教授
- 中嶋 健
- : 東京工業大学 物質理工学院応用化学系教授
- 野原佳代子
- : 東京工業大学 環境・社会理工学院教授
編成・運営(Management, Editing and Organization)
- 八十雅世
- : 「シュレディンガーの水曜日」編集長、情報技術開発株式会社・経営企画部マネージャー
- スタイル株式会社
11月23日に「シュレディンガーの土曜日ミートアップ」を開催
Schrödinger's Wednesday will be rebooted this coming Saturday, November 23rd「シュレディンガーの水曜日・実行委員会」は、来たる11月23日(祝日:勤労感謝の日)の11時から19時までの8時間、「物質が持つ知性の社会実装」をテーマに長時間のスペシャルオンラインイベントを開催します。このイベントの最大の目的は「日本の強さは昔も今もそしてこれからも、物質科学と製造業にあることを再確認すること」そして「人工的な知性(AI)よりは物質が発現させる知性(MI)の社会実装こそが世の中を豊かにしていくこと」を明らかにすることにあります。実行委員会の各フェローがそれぞれが担当するセッションのチェアマンを務め、選りすぐりの研究者との対談、プレゼンテーションの展開を実施します。理系学生・大学院生、大学・研究所の研究者、企業研究開発部門、事業開発部門の方を対象とします。参加料は無料です。詳細についてはLocalKnowledge News Letterにて逐次ご案内させていただきますので、下記からメールマガジンをご登録いただければ幸いです。
なお、シュレディンガーの水曜日が現在拠点を置いているウエブサイト「LocalKnowledge」では過去に2回のビッグイベントを「Meet Up」と称して開催しました。
https://www.localknowledge.jp/2023/11/903/
https://www.localknowledge.jp/2024/04/1303/
11月23日の「シュレディンガーの土曜日」は、このMeet Upの第3回として実施します。ご了承ください。